こんにちは、ひろしです。
今回は高校の歴史の授業と通信制大学の歴史の授業の違いをまとめました。
社会人の中には歴史好きな方が割と多くいらっしゃいます。
「もう一度大学に入って歴史を学び直したい」
「高校まで歴史が好きだったから大学の歴史授業を受けてみたい」
など「歴史好き」が学修への動機付けになるケースがあります。
今後入学検討されている方はこの記事を読むことで大学の歴史学の学修観点をお知りいただけます!
なお今回は通信制大学の歴史学を対象としますが通学制の歴史学も学修観点は同じです。
こちらの記事も是非お読みください!
ではお読み進めください!
目次
1.「歴史学」の高校と大学の違い
ズバリ、高校の歴史授業と大学の歴史学の違いは以下となります。
高校は、いつ誰が何をしたかを「覚える」
大学は、いつ誰が何をしたかという「歴史的事実を追求して自分なりに考察」する
個別に見ると以下のようになります。
カテゴリ | 高校の歴史授業 | 大学の歴史学 | |
1 | 歴史年表 | 覚える | 覚えない |
2 | 歴史人物 | 覚える | 覚えない |
3 | 史料探索 | しない | する |
4 | 史料批判 | しない | する |
5 | 自身による歴史考察 | しない | する |
1−1.歴史年表
中学・高校までの歴史の授業では歴史年表を覚えることがメインの学習となります。
「何年に何が起きた」ということを覚えることが重要です。
一方、大学では暗記や覚えるという学習は行わず、
「何年に何が起きたという歴史事実を史料を使って確定させる」ということを行います。
つまり大学の学修は「研究」という位置付けに非常に近いものとなります。
ただし、大学では年表は扱わないものの、
自学等で既に頭に入っているものとして授業が進むケースが多いです。
1−2.歴史人物
中学・高校までの歴史の授業では歴史人物の名前や生年月日、活躍した時代を覚えました。
大学では歴史年表と同様に人物暗記するという学修は行いません。
歴史人物を研究対象として、その人物がその時代に何を行なったのかを調べます。
その上でその時代どのような影響があったのかを調べます。
1−3.史料探索
中学・高校では「史料」という言葉自体が出てこないですよね。
史料探索とは「歴史事実が書かれた文献や遺物などの資料を探す」ことを指します。
大学の歴史研究においては必須です。
大学の歴史学ではまず研究対象を決めた後、関連する史料を探すという行為を行います。
ちなみに、史料は紙でできた本のようなものから、
土器、建造物、手記、新聞、その時代を知る人の証言など様々な形式のものが存在します。
1−4.史料批判
こちらも大学歴史研究にて登場する言葉(行為)です。
史料批判とは、史料に記載された歴史的内容が正しいかどうかを、
他の史料を用いて確認を行う、という行為を指します。
大学では歴史史料を読むことで研究を進めるわけですが、
1つの史料のみで歴史の事実を確定させることは行いません。
また史料の内容が不明確やあいまいなため真偽が不明な場合もあります。
こういった場合は他の史料を探します。
そして複数の史料内容を組み合わせることで正しい歴史事実を紐解きます。
例えば、鎌倉時代のA氏に関する史料
「わたしはB氏にこの法令を発布しなさいと言った」
鎌倉時代のB氏に関する史料
「わたしはC氏からこの法令を発布しなさいと言われて、発令した」
これではA氏とB氏の証言に食い違いが出ています。
そこで次にC氏の手記を見てみます。
鎌倉時代のC氏の手記
「わたしはB氏にこの法令を発布するように言った」
続いて、Dさんの証言が見つかりました。
鎌倉時代のD私の証言が書かれた史料
「この法令はB氏によって発布されたものだ。それを指示したのはC氏である」
4つの史料を組み合わせた結果、
「幕末時代のこの法令はC氏がB氏に発布指示した可能性が高い」
という結論が得られます。
1−5.自身の考察
大学の歴史学では歴史事実を紐解いた次に自身の考察を考えます。
研究対象の人物が行ったことによってその時代にどういった影響をもたらしたのかを
考えるということです。
そしてそこで立てた自身の考察(仮説とも言い換えれます)をもとに、
さらに史料を探し、事実を追求します。
2.大学の歴史学の特徴
前項までで高校と大学の学習観点の違いをご説明しました。
次に大学歴史学の特徴をご説明します。
大学歴史学の特徴は特定のテーマを深掘りして歴史事実を捉えるという作業を行うということです。
歴史の通史を追うのではなく、1つのテーマを自身で決めてそのテーマを深掘りします。
例えば、テーマに関しては以下のようなものがあります。
・カレンダーはいつ誰が始めたものなのか?
・カレーライスはどこから来て、なぜ国民的料理となったのか?
・明治時代の乃木希典は何に苦悩し、明治の時代をどう感じていたのか?
初めは広くテーマを掲げそこから自身の興味に沿って範囲を小さくしていくことがコツです。
3.歴史学の意義
歴史学を学ぶ(研究する)意義は何なのか?
3−1.社会への有用性
歴史学の意義は「得た歴史的事実をもとに社会の未来作る」ことです。
歴史学は「得た歴史事実から失敗や成功を自身で取捨選択して次の行動に移す」ということが可能です。
人が歴史を辿りその上で今と未来がある以上、歴史学という学問は必須の学問であると言えます。
経済学やIT、商業、医学など直接的に社会創造につながる学問とはまた観点が違いますね。
3−2.自身への有用性
自身の身の回りの歴史を知るということは自分が何者かを知る機会に繋がります。
日本人は一体どこから来たのか?
天皇はいつの時代から存在したのか?
東京都は江戸と呼ばれていた?大阪と京都に府とつく理由は?などなど
自身の苗字の由来も知ることができます。
日本の歴史を知ることは、日本のルーツや自身のルーツを知る事に繋がります。
以上大学の歴史学についてご紹介しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回も有益な記事を配信しますのでよろしくお願いします。
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